413人が本棚に入れています
本棚に追加
「レア……真貴さんが来たら……真貴さんの云うとおりにして……レアを守るためだから」
「うん」
「レア……あとでバッグのなかを見て」
「うん」
「レア……レアに何も遺してやれなかった」
「そんなことない」
「レア……おれはこれからたぶん……月の裏側に……逝くんだ。だからレア……地球(ココ)に……生きて……いつも……レアの姿が見られるように」
「祐真、独りじゃさみしいでしょ!?」
「はは……大丈夫……レアの心を持っていくから……レアの……幸せを見届けるまで……ちゃんといるから……」
「祐真、愛してる。大好き」
「レア……欲しい答えが……はじめて聞けた……レア……後悔しないで……おれも……後悔してない……」
「あたし、幸せだから後悔しない」
「レア……寒い……眠い…………」
「ゆうまっ」
「レアを……だれよりも……愛してる……レア……ありが……とう…………レア――――」
……ゆう……ま…………。
レアの手を握っていた祐真の手から力が途絶えた。
最初のコメントを投稿しよう!