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レアは真貴を見上げる。
やさしく見返す潤んだ瞳が、レアへの気遣いに溢れている。
「祐真さまの立場はおわかりですね」
「あたしのせいなの……」
真貴は否定するように首を振った。
「レアお嬢さま、仮令(タトエ)そうであったにせよ、祐真さまは、レアお嬢さまがご自身をお責めになることを望まれません。
祐真さまがいま、いちばん守りたいのは何よりもだれよりも貴女なんです。
私は祐真さまより、不測の事態にはレアお嬢さまをお守りするようにと仰せつかっております。
その約束を破棄させないでください。
お願いです。騒ぎになるまえに」
真貴が深々と頭を下げた。
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