彼女のキモチ

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翌日から、荒木は比佐の前に姿を見せなくなった。 登下校はもちろん、校内で見かけることもない。 いつもそこにあった日常は、本当の日常ではなかったことに、ようやく気がついた。 学年が違うのだ。 よく考えれば、わかることだった。 暫くして、荒木に新しい彼女が出来たという噂が比佐の耳にも届いた。 「あんな薄情なやつだとは思わなかった。比佐、気にしちゃダメよ」 真奈美は自分のことのように憤慨してくれたが、比佐は違うのだとどうしても言い出せなかった。 荒木は何も悪くない。 悪いのは、自分だ。 全てを自分に都合よく考えて、どこまでも荒木に甘えていた。 それに少しも気づいていなかった。 何気なく眺めていた校庭に荒木の姿が見えた。 傍らに寄り添っているのが、彼女だろうか。
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