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なにか気にかかる言葉を、カイが口にした気がする。タツオはもう一度カイの台詞を頭のなかで繰り返した。ジョージがこちらを見ている。気がついているようだ。
タツオは手をあげて雑音を制した。
「ちょっと待って。今、カイは先遣隊といわなかったか」
ウルルクの巨漢が微笑んでうなずいた。
「やっと気づいたか。いったよ」
「なんの先遣隊なんだ?」
巨漢は同情をこめて深くうなずいた。
「おまえたち『須佐乃男』操縦者候補たちのだ」
クニがたべていたシュニッツェルをフォークごと落とした。食器の音が食堂に鳴る。
「じゃあ、おれたちもウルルクの激戦区にいかされるのか」
カイが分厚いてのひらをクニの肩においた。
「まあ、そういうことだ。ウルルクで会おうぜ。鳥居(とりい)少尉」
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