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「よろしいか、諸君」
いつの間にか情報保全部の柳瀬(やなせ)がテーブルの脇に立っていた。4人はその場で立ちあがり敬礼した。タツオは柳瀬の後方に控えた顔を見て、暗かった心に光がさすのを感じた。よかった、みな元気そうだ。
浅黒い顔に笑顔を浮かべウルルク王族の血を引くスリラン・コーデイムがいった。
「タツオ、それにみんなもよく無事で」
東島進駐官養成高校1年3組7班はウルルク出身者で固められていた。スリランに、リー・ソムラーク、カイ・チャッタニン、ジャン・ピエール・スクラポンだ。
柳瀬波光(はこう)がいった。
「この4人がきみたちに話があるそうだ。わたしはこれで席をはずそう」
情報保全部の背中を敬礼で送ると、士官用食堂のテーブルに喜びが爆発した。ひとしきり肩を叩きあった後、全員がテーブルを囲んだ。身長190センチはある巨漢カイが、テルの右腕を見ていった。
「もうおまえとの腕相撲は勝負にならないな」
カッターの刃をおいてこのふたりが腕相撲をしたのが遥かな昔のようだ。テルがにやりと笑っていう。
「あのときは勝負がつかなかったから、今度は左腕でもいいぜ」
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