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「お前、俺が怖くないの?」
「怖くないよ」
僕が答えると、彼は「お前変わってるな」とボソッと呟いた。
「そうかな。僕にはすごく優しい人に見えるけど……」
僕が言うと、彼の顔がほのかに赤くなった。
「お前やっぱり変わってる」
彼はそう言って前を向いてしまった。
お弁当を食べた後、僕たちは残りの2科目の試験を受けた。
僕はどの教科も自信がなく、不安を抱えたまま家に帰ってきた。
ベッドにごろりと寝転んで、天井を見つめる。
「やっと終わった」
うーん、と伸びをした。
あ、そうだ。前の席の人にもう一度お礼を言おうと思ってたのに忘れてた。
一緒に受かりたいな……
僕は何故かそう思った。
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