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今ならお母さんの気持ちが分かる。
いくらサッカーが上手くなっても、見た目がカッコよくなるとは限らない。
でも、すごく嬉しそうな僕にそんな事言えなくて、「お母さんはカッコいいと思う」って言ってくれたんだね。
そんなお母さんの気持ちを小4の僕が分かるはずもなく、僕はカッコよくなるために必死でサッカーの練習をしたんだ。
悟君と一緒に入ったサッカーチームの練習は週に2回。
それ以外にお父さんと走ったり、リフティングの練習をしたりした。
最初はカッコよくなりたいっていう理由で始めたサッカーだったけど、やっていくうちにだんだん面白くなってきた。
「陽斗君、シュート!」
僕は小柄な方だったけど、その分素早く動けることもあり、試合でシュートをよく決めるようになっていた。
「陽斗君と俺がいれば負けなしだよな」
僕がシュートを決める度に、悟君はそう言って笑った。
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