始まりの物語

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「まだ寝ぼけてらっしゃるのですか? 貴女様は正真正銘この国の姫様にございます。 何より、そのペンダントがその証拠です。」 ツァイの視線が私の首もとに移るのにつられ 私もそこに視線を落とす。 そこには片方の掌にすっぽりと収まるほどの 雫型の石があった。 透明なはずのそれは日の光を受けてか 七色に輝いている。 そして時おり石の内側から淡い光を放っている。 「……キレイ。」 そっと石を掌に乗せた私は 無意識のうちに呟いていた。
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