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「……ッ。」
ツァイの手に促され、
腰を上げた私の瞳に写ったのは
今まで見たことの無いような美しい景色だった。
どこまでも続く若草色の絨毯。
その中に点在する煉瓦でできた丸屋根の家屋。
その奥にはコバルトブルーとエメラルドグリーンが複雑に入り交じった海。
視線を左側に移すとツァイがこれから向かおうとしているお城があった。
白い壁に円柱状の塔をいくつも集めたような
いかにも物語の中に出てくるようなお城だった。
そんな女の子なら誰でも1度は憧れるお城よりも
その反対側にあるものに私は強く引かれた。
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