始まりの物語

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見渡す限りの草原の中にぽつんと 木立に囲われた空間があった。 その中心には 七色に輝く水面のようなものが見えた。 「ねぇツァイ。あれはなに?」 私はそこから視線を外さないまま ツァイに尋ねた。 「あれは湖にございます。」 「?」 ツァイの声に 嫌悪が込められているような気がして そっとツァイに視線を戻す。 先程までの笑みは跡形も無く かといって怒りを露にしているわけでもなく ただ無表情でツァイは湖の方を見ていた。
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