Sweet or Bitter

始まりの物語

「ツァイ？」

私の呼び掛けにはっと我に返ったツァイは
私の方を見るとにっこりとした笑みを見せた。

「行きましょうか。」

そう言うなりくるりと背を向け歩き出すツァイ。

その背中を私は呼び止めた。

「待って、ツァイ。
私彼処に行ってみたいんだけど、……ダメかな？」

「だめです。」

ピクリと肩を振るわせ立ち止まったツァイは
不自然なほどの笑みを浮かべながら振り返り
ピシャリと言いはなった。