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うずくまるように膝をつき、荒い呼吸を整えてから私はようやく顔を上げた。
「わぁ……!」
木立に囲われたそこは
先程も見たように中心には七色に輝く湖。
その周りには色とりどりの愛らしい花が咲き誇っていた。
その花からは草原に居たときよりもはっきりと
優しい甘さを含んだ柑橘系の香りが鼻をくすぐり、私は無意識に口角を上げた。
「これは、あなたたちの香りだったのね。」
誰に聞かせるわけでもなく
私はそっと呟いた。
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