始まりの物語
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足を投げ出したまま上体だけを起こすと 見渡す限りに若草色をした草原が瞳に入る。 私の肩までもある 背の高い柔らかそうなその葉からは 優しい甘さを含んだ柑橘系の香りがした。 いたずらに吹く柔らかな風に乗って 爽やかな香りが私の頬を撫でる。 その心地よさに目を細めていると 何処からか声が聞こえてきた。
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