始まりの物語

3/25
前へ
/27ページ
次へ
足を投げ出したまま上体だけを起こすと 見渡す限りに若草色をした草原が瞳に入る。 私の肩までもある 背の高い柔らかそうなその葉からは 優しい甘さを含んだ柑橘系の香りがした。 いたずらに吹く柔らかな風に乗って 爽やかな香りが私の頬を撫でる。 その心地よさに目を細めていると 何処からか声が聞こえてきた。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加