始まりの物語

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「ーーー様~。どこーーーッ。」 次第に影だったものの輪郭がはっきりしてくる。 「姫様~ッ。姫様~。 どこに居られるのですか~ッ。」 姫様? この近くにお姫様がいるの? ちょっとした好奇心で私も 姫様を探すべくきょろきょろと辺りを見回す。 だがそれらしい気配はどこにもない。 探す場所間違えたのかな? そう思い影が見えた方に視線を戻すと ちょうど草の中から出ていた影と目が合う。 「あっ!!」 小さく声を上げた影は一瞬消えたかと思うと 迷いもせず私の方に跳ねてきた。 そう。 駆けてきたのではなく跳ねてきたのだ。
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