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「今私のこと、……姫様って、呼んだ?」
つい先程の剣幕はどこへやら
ツァイはきょとんと私を見つめた。
「貴女様以外にこの国の姫様など居られるわけがありません。」
さも当然のようにそう言うツァイ。
今度は私が感情を露にする番だった。
「ち、ちょっと待って。私が姫!?
だって私は、平凡で普通の…。」
そこで言葉が切れる。
普通の…なんだっけ。
自分のことなのに思い出せない。
目が覚める前までの自分が思い出せなくて
不安で黙り混んでしまう私にツァイは少し困ったような視線を向ける。
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