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「悪いが、異世界で王になってくれるか?」
……は?
目の前の男はそう言う。その男は一周間前に死んだはずの父親。
「とりあえず殴って良いか?」
父「断る」
「なら帰る「ちょっ、それはないだろう!チーちゃん」
「気持ち悪いわ!!鳥肌がたったぞ??」
父「だって久しぶりに顔を見たら、つい」
「久しぶりって、まだ死んで数週間だろ??」
父「冷たい、息子が冷たい…生きていけない死のう」 体育館座りでいじけ始めた父親
「もう死んでるから死ねないだろに…はぁ、話を聞いやるから、いじけるなよ」
ぱぁぁーー 花が舞い始めやがった
父「照れ屋さんだなーチーちゃんはー」
あの対応で俺を照れ屋だと思う親父…… 死んで頭のネジが緩んでしまった様だなぁ
父「ゴホン!でわ本題に入ろうか」
何シリアスな雰囲気を作り出してんだこいつ
父親は、タフだった。
父「実は俺は、異世界生まれである小島の守り手として数千年生きていたんだが…」
「そして地球にきて結婚、子宝に恵まれるが、夫婦揃って事故死……で合ってるよな?」
父「息子が冷たい??」崩れ落ちる父親
一々リアクションが大きいな
父「これが世にいう反抗期か!反抗期なのかぁぁ??」ダンダンと 地面を叩き項垂れる父親
いい加減にして欲しい ウザく感じる
「本題はいいのか?」
父「あぁ…その小島の名前は、ヴァーミリ島 そしてお前が、治める島だ!」
話が全く見えてこない…
父「ヴァーミリ島を守るのが俺達一族の役目なんだが、今の守り手が限界らしく俺に戻ってきてくれないかって相談が来たんだ」
「親父死んでるだろう?無理だろ」
父「あぁ、だから俺の血を引くお前達に新しい守り手として島国を建て直して欲しいんだ」
「だからの意味が分からねーよ??」
父「俺の自慢の仔共達だろ? 出来るだろう?」
ここ一番のドヤ顔で話をぶった切る父親の姿がボヤけ始めた
「…??」眩しくて目を開けていられないぞこれ??
父「これが最後だな……元気でな千歳」
「…!親父…??」
そこで、俺は意識を手放した。
「ーー」
「なーに、あいつらの事だ大丈夫だろう兄弟仲良く国を建て直してくれるよ。 俺とお前の仔だろう? なぁーシヲリ?」
静かに佇む女性に手を伸ばす、元守り手の男
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