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漆輝「ん…」
重たい瞼をこじ開ける。
自分が寝ていたのは、知らない部屋のベットの上。
頭が痛い。自分がここに居る原因を思い出す。
「あぁ、起きたかい?」
扉を開け入って来たのは、桃色の瞳に 薄黄緑色の髪を腰まで伸ばしている男性 服装が何故か、スーツ
男性「自分が何故、ここに居るか解る?」
漆輝「確か…魔法銃で 撃たれた」
男性「正解!良かった、記憶障害を起こさなくて」
漆輝「…怖い単語が出て来たんだが」
男性「まずは、自己紹介だね!」
スルーされた。
男性「私は、この世界の神様で、名前は セイン!」
漆輝「眠い… もう一度寝よう」
セイン「無視しないでください…」
漆輝「自称神様が、俺に何の様?」
セイン「グズッ……兄弟揃って酷い」
漆輝「…!おい!兄弟揃ってって何だよ!」
ベットから出ようとした瞬間、体が傾く。
セイン「まだ安静にしてなくちゃ駄目だよ?」
ベットから落ちそうになるが、セインに受け止めてもらう。
漆輝「体に力が、入らない…?」
セイン「其れは、君がこの空間に対応していないから」
少し寂しそうな顔をしながら、説明してくれる セイン
漆輝「つまりここは、セインが住む神様の空間なんだな」
セイン「神の血を引く者達以外、入れないんだよ」
漆輝「…俺はまだ”鬼神”の力をコントロール出来ないから、動けないと…」
セイン「…君達の父親、鬼雲とは友達だったんだよ。 其れで、ヴァーミリ島の”守り手”になって貰ったんだよね。彼が『異世界に行きたい!』なんて、言い出した時は、彼らしいと思って止めなかった… 其れを最後になるなんて、思いもしなかった」
涙目で申し訳無さそうに俺の顔を見つめる。
漆輝「あんたは、何を後悔してんの?」
セイン「…え?」
漆輝「あんたが止めても父さんは、地球に行ったと思うし、地球に来なかったら俺達は産まれてこなかっただろうし…
あんたは、俺達の命を守ってくれたんだよ。知らない内にな だから、有難う。父さんの友達で居てくれて、そして地球に送ってくれて」
セインの方に向かい感謝の言葉を言うと、涙をボロボロ流しながら俺の言葉に頷くセインが居た。
セイン「グズッ……ヴゥーやっぱり兄弟だね」
漆輝「…は?」
セイン「君達の長兄、千歳君だったかな?彼も、同じ様な事を言われたよ。最後に『あんな奴の友達で居るなんて、あんたも馬鹿だな』って言っていたけどね。」
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