学園生活と不穏な動き

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漆輝「兄貴らしいな…」 セイン「ズズッ、良し!君をここに詠んだ訳を、話そうか?」 鼻頭を赤くしながら、話を切り出す。 セイン「君は「ちょっと待ってよ」…え?」 漆輝「俺には、漆輝っていう名前があるんだけど」 セイン「あぁ!?ごめんね?漆輝君」 照れながらも、話を続けるセイン。 セイン「漆輝君は、クラスメイトの禁忌召喚を止めたんだけど…」 そう言いながら、右手を俺に差し出す。 セイン「見てみて?」 セインの右手には、角を生やし人間の姿の様な形をしている、生き物が水晶の中に居た。 漆輝「何この、不気味な生き物…」 セイン「意思の無い者」 漆輝「意思の無い者!? フフツが、召喚した奴か!?」 セイン「そう。彼が召喚して、漆輝君が倒したの」 漆輝「俺が倒したって、こんな不気味な奴じゃなかったぞ!?」 あの時の意思の無い者は、人型に近くいたる所が、霧が掛かった様にぼやけていたはず。 セイン「漆輝君の言う通り、倒した時とは違うよ」 漆輝「じゃあ、何なんだよ!こいつ」 セイン「封印された後、漆輝君は撃たれた。 其れも、禁忌召喚した張本人に…」 セインの言いたい事が、何となく分かり彼の方を向く。 セイン「意思の無い者と、漆輝君の血が混ざって出来た、生き物だよ。」 漆輝「俺の血……?」 セイン「うん。意思の無い者は、魔力の塊に過ぎない。 魔力のある世界では珍しく無い存在だけど、魔力を取り込み過ぎると 人間を襲う物になってしまう。勝手に生まれ、勝手に消滅する、其れが、意思の無い者」 漆輝「そんなにヤバイの、こいつ」 セインの右手に乗っかっている、水晶を指差す。 セイン「やばいもヤバイ。この世界に存在しない生き物だからね…そうだな、千歳君が鬼神化しない時ぐらいまでには、なるかもしれないよ?強調次第で」 漆輝「……軽く死ぬるじゃん、俺…」 兄弟の中で、一番強い長兄の普段の強さに匹敵する相手。
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