三つ子と四つ子 時々爺さん。

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エレン「ラグさんに挨拶してください。ツバイ」 頭をさすりながら、自己紹介を促す。 ツバイ「俺は ツバイ アグニハート。エレンとは幼馴染で島王に拾われて以来こう名乗ってる」 深緑色の髪に赤い瞳。エレンと同じ位の身長 ラグーン「何時も庭の手入れをしておるのか?」 ツバイ「遠征や練習が無い時位ですけど」 ラグーン「うむ。見事だな。植物達が生き生きしてるぞ」 ツバイ「ありがとうございます」 エレン「なーなー 俺のことは無視かよー?」 ツバイ「俺は手入れしてるから、パスだ」 エレン「まだ何も言ってないよ!?」 ツバイ「五月蝿い。気が散る何処かに逝け」 エレン「文字違くない?」 ラグーン「術者を捜しておるのだが」 ツバイ「なら、殿を探す方が早いですよ」 軍手を外しながら答えてくれる。 ラグーン「殿とな?」 エレン「ヴァーミリ島の番人ですよ!」 ツバイ「ヴァーミリ島に来るには、唯一の橋を渡らないと行けないんです。橋を渡る時に入国を審査するのが、殿。入国して悪さをしたら、若に飛ばされるんですよ」 ツバイ「殿に会いに行くんでしょう?お供しますよ」 作業道具をしまい終わったツバイが切り出す。 エレン「俺の時と違う!?」 ラグーン「はは~力強い味方だな」 ラグーン「所で、殿とは何処かに行けば会えるのだ?」 エレン&ツバイ「橋の上?」 ラグーン「今橋に向かっておるのか?」 エレンとツバイに連れられて橋まで歩く。 エレン「ねぇ…ツバイ、すっごい見られてない?」 ツバイ「気のせい……じゃ無いよな」 先程からエレンとツバイが小声で話し合い、此方を見てくる。 ラグーン「どうした?二人共」 俺の身長は180位だから二人して見上げてくる姿が、愛らしく感じるのは長生きの性なのかもしれないな。 エレン「ううん。なんでもないですよ!」 はにかみながら俺の手を引くエレン。 ツバイ「気付いて無いのか……ラグさん」 騎士を両脇に連れて歩くなど、罪人ぐらいだ。 ツバイ「楽しんでますね?チトセ様」 澄み渡った空に一匹の鳥が羽ばたいた。
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