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ただし感心したからと言って、気に入っていたと言うわけではない。まず字面が硬い。融通の利かない感じが、自分に合ってい過ぎて嫌だとも思った。一つにまとめた黒い髪。眉毛にかからないよう切りそろえた前髪。一見すると怒ってると勘違いされる真顔。極め付けは黒縁メガネ。
鏡に映る自分の顔を見て、ため息をついたことも一度や二度ではない。確かに、鏡の前には委員長と呼ばれるのに相応しい女子生徒がいた。
何か一つでも変えれば違っていたに違いない。髪の毛を一つでくくるのは校則で決まっている。前髪だってそうだ。ならば変える余地があるとすれば眼鏡くらいだが、黒縁メガネは好きではめているのだから仕方がない。
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