第1章

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わたしは普通のサラリーマン。 なのに、最近残業続きで疲れてんだよね。 今日はひっさびさの休み! プルルルル 電話が鳴り始めた。 「あ~。布団からでたくない~!」 仕方なく、重い体を無理やり引き上げた。 「もしもし?」 『あ、ねえ今日ひま?』 この声は、近くに住んでるみっちゃんだ。 「うん……。暇だけど」 『やったー!今日息子のベビーシッターしてくれない?久しぶりの休みだから、夫と出かけたくてさ。わたしの息子は保育園も幼稚園も入ってないから、ね?』 「う~ん」 『いいじゃんいいじゃん。たまには子どもと触れ合うのも楽しいよ!』 「まあそっか」 ピンポーン ベルが鳴り、わたしはドアを開けに玄関へ向かう。 「はーい」 『久しぶりー。じゃあ、よろしくね』 「え?」 みっちゃんの連れてきた息子に驚いた。 その息子はまだ赤ん坊だったのだ。 「赤ちゃんだなんて聞いてないよ」 『だって言ってないもん。まあ、もう来ちゃったし。この子、ゆうとっていうから』 わたしはにこにこ笑っている二人を見て預かることにした。 『んじゃ、そゆことで』 みっちゃんは後ろでに手を振って行ってしまった。 うぎゃあああぁ! お母さんが居なくなったからか、急にゆうとくんは泣き始めてしまった。 「いないいないばあ」 ゆうとくんを布団に寝かせ、色々とあやしていた。 でも、一向に泣き止む気配はない。 それでもあやし続けていると、なんだか変な臭いが漂ってきた。 まさか…… 「あー、やっぱり」 おむつを替えないと。 さすがに、おむつはみっちゃんからもらっていたのでそれを使える。 でも、そういえばウェットティッシュをもらってない。 トイレットペーパーでもいいのかな? わたしは、おむつとトイレットペーパーを持ってきた。 「さあ、準備万端! いくよ~、ゆうとくん。ちょっと我慢しててね~」 そして、ゆうとくんがもともと履いていたおむつを脱がした……が。 「うわあ。やめてー! 暴れないで!」 急に足をジタバタとさせ、わたしの顔を蹴ってきた。 わたしが手を離した瞬間、 おしりを丸出しにしながらはいはいで部屋中を歩き回り始めた。それから、次々と物を倒していく。 「やだ! やめてー!」 捕まえようとしても、スルリと手から抜けてしまう。 「もうやめってってばー! 誰か助けてー!」
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