飛んで回った

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 今は使われていない町はずれのコインランドリー。そこで夜な夜な怪しげな実験が行われていた。 『ニャキィーッ』 「おお! ついに成功だ!」  ドラム式洗濯機の中から飛び出したのは、真っ赤なお尻から長い尻尾を生やした二足歩行の猫っぽい猿。それを見た白衣を着た老人は歓喜した。 「うわっはっはっは! 猿と猫の合成獣じゃから“モンキャット”の誕生じゃい!」 「凄い……本当に合体した。ネーミングはダサいけど」  その横で同じく白衣を着た青年が目を丸くしていた。 「見たか助手よ。これぞ世紀の新発明、“オールミックス・ガシーン・マシーン”じゃ!」 「ネーミングはダサいけど凄い発明ですね博士! ネーミングはダサいけど」  説明しよう。オールミックス・ガシーン・マシーンとは、無機物、有機物問わずありとあらゆる物質の分子細胞を分解し、その後細胞同士を上手いこと結合させ、とにかく科学じゃ立証できない色々な科学反応が起こり、ひとつの物質へと精製する事ができるすんばらしいマシーンである。
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