scene.2

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せっかくなので、家に戻る前に、私は練習に戻った斎を少しだけ見ていくことにした。 さっきとは全く違う表情。 キリリとした顔。 斎がコートに戻ると、空気が一変する。 斎の存在感に圧倒されながら、私はコートを後にしようとした。 その時。 ふと、南条君と目が合う。 南条君は、挑戦的な笑みを見せて、その顔を俯ける。 それを見て、苦笑する。 生意気なんだけど、どこか憎めなくて。 そして、あのプレー…。 斎の話しぶりから、南条君を気に入っているんだろうとは思っていたけれど、それも頷ける。 「さて!ちょこっと身体も動かしておかなきゃね~っ」 何せ、久しぶりだ。 斎は手加減してくれるだろうけど、あまり手加減させるのも癪だ。 せめて、普通に打ち合うくらいは出来ていたい。 私はグイッと空を仰いだ。 太陽が輝いている。 空が、青い。 夏、だ。 「あつーいっ!!」 いつもはゲンナリしてしまう程の暑さも、今なら平気。 私は気持ちを弾ませながら、家への道を小走りに駆け出した。 ……サンダルが壊れないよう、気をつけながら。
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