scene.2

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「部長の知り合い?」 「…は?」 思わず大きな声が出た。 だって、いきなりここで斎のことを出されたもんだから。 「な…なんでいきなりここで斎のことが出てくるの?」 「斎…か。ふぅ~ん」 「うわっ!!」 急いで口を押さえたけれど、間に合っていようはずもなく。 私はまるで不審者のように、キョロキョロ視線を彷徨わせる。 そんな私を見て、南条君は合点がいった顔で頷いた。 「やっぱ部長の知り合いか」 「…なんでわかったの?」 「気付いてなかったの?」 「何に?」 私の言葉に、南条君は軽く肩を震わせる。 「部長、気の毒~っ」 「ちょっ!!なんでよっ!」 私がムキになって詰め寄ると、南条君はまだ少し笑いながら、こう答えた。 「部長がフェンスの方を気にしてるから、変だと思ったんだけど」 「…え?」 「で、俺も見てみたら、あんたがいた」 「……よく私だってわかったね。周りにいっぱい人がいたのに」 「だってあんた、周りの人達とは雰囲気違ったから」 「…」 「あんなたくさんの人がいても、部長はすぐにあんたに気付いたのに、あんたは部長のこと気付かなかったんだ」 「…」 …何も言い返せない。 いや!斎が本当に私に気付いていたかどうかなんて、わからないし! 私が言い返そうと勢い込んだ時、低くてよく通る声がした。 「南条」 私と南条君が振り向くと、そこには不機嫌そうな顔をした斎がいた。 「斎っ」 「南条、休憩時間は過ぎているぞ。コートに戻れ」 「はーい」 南条君はジュースの缶をグイと傾けると、一気に中身を飲み干した。 そして、のんびりとコートに向かう。
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