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「どうして君が繭子さんの行動を決めるの?」
「言ったでしょう?繭子さんはこれから俺と予定があるんです」
悠馬がそう柘植さんに言うと、
「―…本当に?」
柘植さんは悠馬への視線を私に変えて、そう確認してきた。
「は、はい……」
どもりながらも頷く私。
「今夜、他に予定があるとは聞いていませんでした」
「時間が……はっきりしていなかったので……」
「―…そうですか」
悠馬と約束があったなんて、
嘘だってこと、きっと柘植さんは察してる。
悠馬は私の腰に手を回したまま、
「では、繭子さんがお世話になりました」
そう口にして、出入り口へと歩き始めた。
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