消したい夜

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社会人になっても似たようなものだ。 二人目の彼は合コンのあぶれ者同士。好きになろうと頑張ったけれど、うまくいかなかった。 同じく合コンで知り合い、初めて自分から告白した三人目の彼は、付き合い始めてしばらくすると、嬉しさを隠しきれない顔で「前の彼女とヨリが戻った。ごめん」と言い放った。 涙はじきに傷に代わり、そして薄れていった。 大好きな人にバージンを捧げた思い出も、相思相愛の甘い思い出もない。 自慢できる思い出がないというより、悲惨なレベルかもしれない。 でも、そうこうしているうちに二十代後半に突入してしまった。 砂漠のような恋愛人生の最後に、神様はプレゼントをくれないだろうか。 それなら今までの侘しさも報われるのに。
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