消したい夜
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恐怖にわななきながらそっと手を放し、幸いまだ眠っている男の寝顔をまじまじと見つめた。 この人は誰? ここはどこ? 断片的に蘇ってきた昨夜の記憶と目の前の男が繋がらない。 窓は暗く、まだ真夜中のようだ。 ヘッドボードからして、ここはホテル。 真っ暗な部屋にベッド脇の調光ランプだけがうっすらと灯されている。 動揺で全身の毛穴が開いた気がした。
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