消したい夜

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頭にかかるアルコールの靄が晴れてくると、昨夜の恥ずかしい記憶が蘇った。 私みたいな女にこんな事態が起きるなんて、きっと相手も酔っていたんだろう。 朝、お酒が抜けて正気に戻った男が気まずそうな顔で逃げていく惨めなシチュエーションがまざまざと浮かぶ。 顔を合わせたところで前向きな展開があるとは到底思えない。 真夜中に電話してくるような関係の女性がいるんだから……。 お互いになかったことにした方がいいに決まっていた。
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