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日曜日の午後2時頃、ユイトは奏一と待ち合わせをしたイタリアンの
店にやってきた。今は春で、外は気持ちの良いポカポカ陽気だ。時にはこうして陽に当たるのも良いかもしれないと、昼夜逆転した生活が基本のユイトは思う。
今日、訪れたのは人気店だ。何が食べたいか奏一に聞かれたので、
上手いパスタを食べたいと言ったら、この店がおすすめだということで、選んでくれたらしい。
日曜日の昼時は過ぎているが、客はそこそこ入っていた。
奏一はすぐに見つけられた。先日、初めて会った時はスーツだったが、今日は少し
ラフにシャツを着てジャケットを羽織っている。
ユイトはと言うと、食事をした後にそのまま出勤できるようにと、
いつものスタイルだ。ホストっぽさは出ている。
この前の方がユイトは休みだったので、格好は今日よりはカジュアル
ダウンしていた。
「待った?」
第一声、ユイトはそう言って奏一に声をかけた。
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