1章 仮面を被ったホスト

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「え?どうしたの?急に。まぁ、確かに俺はしないけど」 「へぇ…そうなんだ…でも何で?」 「…ホラ、そういうのって大切な人とじゃなきゃダメでしょ? この人だって思った人とするのが一番だと思うんだよね」    この言葉も演技の中で出てきたセリフだ。こんな青臭いセリフは、 ユイト自身には思いもつかないだろう。  「えー?それ本気?蓮って意外に純情っていうか…」  エリも流石に驚いたようだ。 「だって、誰とでもいいわけじゃないと思うんだよね」 「蓮…若いのに大丈夫?」    ユイトの年なら、血気盛んな年頃だ。しかし、それとは全く 正反対のユイトのセリフに、エリも意表を突かれたのだった。 「俺は、誰かれ構わずできるタイプじゃないからさ」  エリは「そんな蓮もピュアで良い」と言って、その後も思う存分酒 と会話を楽しみ帰っていった。
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