1章 仮面を被ったホスト

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閉店し、大分飲んでいたこともあり、ダルさを引き摺りながら後始末 をしていると、先輩ホストが声をかけて来た。 「おい、蓮」  それは、さきほど帰って行ったエリがついこの前まで指名していた 優牙だった、 「何ですか?優牙さん」  この時には、ユイトは一応仮面をまだ被っていた。 「エリさん盗ったの、お前だったのか」 ユイトは内心、『またか…』と思った。 以前にも、同じ様なパターンがあったからだ。 「え?盗ったなんて人聞き悪いこと言わないでくださいよ」 「おめぇが盗ったんだろ!?どうりでここんとこ指名ねぇと思ってたら…お前に鞍替えしてたってわけかよ。 人の客盗ってんじゃねぇよ!」    そこで、ユイトが仮面を取り素を見せた。 女性の取り合いなどのいざこざはあることだ。それに相手はナンバー1を競っているほどの先輩だったが、別に自分が盗ろうと思ったわけではない。いちゃもんを付けられるのは納得がいかなかった。
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