1章 仮面を被ったホスト

9/13
前へ
/139ページ
次へ
「俺が盗ろうと思ったんじゃなくて、エリさんが自分から替えたんだろ… 俺が悪いわけじゃない」  ふてぶてしく言った。 「お前、生意気なんだよ!」  優牙という先輩ホストがそう言った時、「まぁまぁ」ととりなす ように他の先輩ホストが2人のところにやってきた。 「客が指名替えることくらい良くあることだろう。そうカリカリすんなって、優牙」  そういって、そのホストは優牙の肩をぽんぽんと叩いた。 「コイツの態度が生意気なんだよ!まだ新人のくせに…」 「あんたさぁ、1000万プレーヤーらしいじゃん。客1人後輩に分けてくれてもいいだろ。  まぁ、俺がエリさんに替えてくれって頼んだんじゃねえけど?」  こんなことを言ったら、ここでの立場もますます悪くなる。それは 分かっていた。  が、既に遅かった…。  次の瞬間、ガッという音に続けてドサっという音が、閉店後の店内 に響いた。  ユイトは優牙に頬を殴られ床に倒れていた。
/139ページ

最初のコメントを投稿しよう!

52人が本棚に入れています
本棚に追加