オカルト交響曲第16番ホ短調~黒い雨

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それから40分後のことでありました。 プールで泳いでいた子たちが、シャワーを浴びて着替えをしようとしていた時に、5年生の女の子が恐ろしい悲鳴をあげたのでありました。 「ああ!!」 「どうしたの?」 「たいへん…バッグの中に入れていた…洗濯をする分のスクール水着がなくなっているわ!!」 「アタシのバッグもやられているわ!!」 「どうしよう…」 その頃でありました。 けんいちろうは、誰も見ていないことを確認した後に家に入りまして、ショルダーバッグを抱き抱えて部屋の入り口に着きまして、鍵を開けて部屋に入ろうとしていた時に、掃除機を持っているりほこと会ってしまいましたので、怒った声でりほこに言ったのでありました。 「何をしに来たのだよ!!」 「何をしに来たって、けんいちろうさんのお部屋を掃除をしてあげようかなと思って来たのよ…」 「何でいらんことをするんや!!」 「どうしてって、お部屋が汚れていたら困るから掃除機…」 「いらんことをするなと言ったらいらんことをするな!!」 「どうしてそんなに怒っているのよぉ…」 「オドレはどこのどこまでオレをグロウする気なんや!!」 「グロウしていないわよぉ…」 「やかましい!!オラオドレ!!オドレはおじさんとおばさんからかわいがられてばかりいるので、みわことみさことオレのことをグロウしているのだよ!!」 「グロウしていないわよぉ…アタシは、けんいちろうさんのお部屋を掃除をしてあげたい…」 「やかましい!!」 (ドカッ!!) けんいちろうは、りほこを両手で突き飛ばした後に部屋に入った後にドアをバターンとしめて鍵をかけてしまったのでありました。 「けんいちろうさん…けんいちろうさん…開けて…お部屋を掃除したいから開けて!!」 けんいちろうは、りほこからの呼びかけに対しましてかたくなになっていましたので、どうすることもできなくなっていたのでありました。 そのまた次の日の朝のことでありました。 けんいちろうは、市役所へ行きまして自分が使っていたデスクとロッカーに残っている私物を取り出して、紙袋に入れて整理をしていました。 その時に、女性職員が心配そうな表情をしましてけんいちろうにこう言ったのでありました。
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