オカルト交響曲第16番ホ短調~黒い雨

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「かすみさん…かすみさんは、そんな気だるい気持ちで子供たちを護って行こうと言う姿勢が現れていないようね…」 「それはどういうわけなのでしょうか!?」 「どういうわけって…あのね…この際だからかすみさんに言わせてもらうけれど…昨日かおととい頃だったかしら…小学校のプールの中にある着替え室で女の子の下着が大量に盗まれた事件が発生したのよ…ごぞんじかしら…」 「ええ!!小学校のプールの着替え室で…女の子の下着が盗まれた事件が発生したって!?」 「そうよ…」 「あの~…その事とアタシがどういう関係があると言うのでしょうか!?」 「そんなことは言っていないわよ…どうしてそこでビンカンになってしまうのかしら…」 「あの~…お願いがあります…あの~…朝倉で中学生の女の子が殺された事件やみさこが通っている小学校のプールで発生した事件のことについては…うちは関係がありませんので…あのね!!うちに言いがかりをつけてくるヒマがあるのだったらグループホームで暮らしているこたちを監視していなさいよ!!」 かすみは、世話人の女性にこぶしを振り上げて思いきり怒った後に、喫茶コーナーから飛び出して行ったのでありました。 かすみはこの時、もしかしたらけんいちろうが何らかの事情を知っているのではないのかと思っていましたので、気持ちが激しく動揺していたのでありました。 けんいちろうは、この時市役所へ出勤をすることがイヤになっていましたので、ハメツへ向かっていたのでありました。
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