第二楽章ヘ短調~黒い乳房

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2 なおみの初七日にあたる6月7日のことでありました。 みつひこが札幌市内の居酒屋で通り魔事件を起こした後に道内を逃走中の状態が続いていましたので、みつひこの一家は北海道で暮らして行くことができなくなってしまったので、神奈川県内で暮らしているみつひこの一番上の兄・みつなり(53歳)の夫婦の家へ行きまして、助けを求めたのでありました。 場所は、横須賀市汐入町にありますみつなり夫婦が暮らしている2階建ての家にて… 家には、みつなりとみつなりの妻(51歳)と長女(17歳・高3)と長男(12歳・小6)の4人家族が住んでいました。 家は5人分が暮らすスペースしかありませんでしたので、急にみつひこの両親とみつとしとゆいなとよしえとなおこがやって来て、住む家がなくなったので困っていると泣きついて来ましたので、みつなり夫婦は思いきり怒っていたのでありました。 「だから!!湧別の家の玄関の前にやくざの男のグループ10人が居座ってしまったので助けてほしいと言うても、うちは7人分を受け入れるゆとりがないのだよ!!」 「そうですわ!!あなたたちは、どこのどこまでうちの家族のことをグロウする気でいるのかしら!!」 みつひこの母親は、泣きそうな声でみつなり夫婦にこう言ったのでありました。 「お願い…おとーさんのことを許してよぉ…おとーさんは、悪気があって困らせたのじゃないのよ…おとーさんは…さみしい…」 「やかましい!!ダマレ!!」 「ダマレって…みつなり…どうしておとーさんに強烈な声で怒鳴り付けるのよ?おとーさんが何をしたと言うのよ!?」 「ああしたさ!!オヤジはな!!イトコやハトコの進学や就職や結婚のお祝いのおカネを山のように出したり、オヤジの職場の従業員たちに晩ごはんを食べさせたいと言っておいて、真夜中までかけ麻雀をして大量におカネを消耗したのだ!!」 「そうですわ!!やかましいオドレダマレと言われた義父さまが悪いのです!!」 みつなりの妻は、生意気な口調でみつひこの両親をなじりましたので、母親は父親に『頭を下げてよ!!』と怒りまして、頭を下げさせたのでありました。 みつひこの妻は、ますますイラついた声でみつひこの母親に怒ったのでありました。
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