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「誰か助けてくれ」
私は全身ずぶ濡れになりながら、そう願った。
私は貴族だ。
なぜ身分ある我が身が、このような扱いを受けねばならんのだ。
だがこの場所で私は、
「身分など何の保証にもならぬ」
とでも言わんばかりの、敬意などまるで感じられない不当な扱いを受け続けている。
「誰か助けてくれ」
天を仰ぎ、もう一度その言葉を胸に唱える。
だが、その心の呟きに応える者は誰もいない。
翼なき我が身では、この魂の牢獄のような場所から飛び立つ事も叶わず。
助けを得られるアテなど、何一つとして存在しない。
心を侵食してくる絶望。
その足音を感じながら、私は自由などどこにもない、閉塞した空間の中で力の限りに声を上げた。
「誰か助けてくれ・・このままでは・・このままでは私は・・!
人間の手にかかり、《ころっけ》というヤツにされてしまうではないか・・!!!」
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