3 月曜日

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 恐らく緊急。秒速で耳に神経を集中させる。 「わかりました。明日は七時に出勤します」  マコが心配そうに俺の顔を覗いてくる。 「マコ、ごめん。俺、仕事で急ぎの用事が出来ちゃった」  もう少しマコと話をしたかったけれども、行かなくてはならない。 「今日は楽しかった。マコに会えて良かったよ。仕事と勉強がんばれよ」  最後に急がせてしまったお詫びにと、食事代は俺が払った。まあ、そうでなくても俺が出すつもりではいたが。 「コージも仕事がんばってね。行く前にコンタクト教えてよ」  そうだ。俺だって名刺の一枚くらい持っているさ。マコの名刺コレクションに加えてもらえるなら、それは光栄なこと。  意外にもマコは、ずっと欲しかったプレゼントを手にした子供のように、パッと目を大きくして喜んでくれた。そういう素直に感情を表現するところも高校の頃から本当に変わらない。 「じゃあね、コージ。連絡するよ」 「うん。マコ、帰り気をつけて」  一応の社交辞令を交わす。心の中では名残を惜しみつつも、マコを駅まで送ってから、俺は会社に向かった。  電話では部長に「明日朝七時に出勤する」と言ったけれども、明日からの仕事をこなすためには、準備しなければならないことが幾つかあった。会社に寄って、少し仕事を持ち帰らなければならない。  部長からの電話によると、課長が今日の会社帰りに交通事故に巻き込まれたとのこと。  車通勤の課長はゴールドカードの所有者で、運転もうまいはずだと思っていたのだけれども。とにかく骨折で入院したという連絡だった。  当然課長は会社を休むことになるから、課長と組んでよく一緒に仕事をしている俺がカバーを頼まれた。  うちの会社には、何かのときはお互いをカバーし合うサポートシステムがあって、うまく機能している。  今までは、俺が休むときは課長がカバーしてくれていたから、今回は俺がサポートにまわる番だ。
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