ホワイトボードのお姫様

4/35
前へ
/37ページ
次へ
私は気分転換に、歌舞伎町に来ていた。 たまに、もやもやすると、この場所に来るのだ。 大和は周りから見れば美人の部類に入る。しかも大人っぽいので、ホストからのキャッチもうける。 未成年とは思えないその顔立ちと、落ち着きでバーに入ってもお酒を普通に出してくれる。 そんな時間が、少し大和を安心させる。 だから今日も歌舞伎町で一杯呑むつもりだった。 この気持ちが少しマシになる気がしたのだ。 「おねーさん!ホストとか興味ない?カッコいい人沢山いるよー!」 はぁ、ホストは本当にうざい。 「私女の子にしか興味ないから」 キッパリと断ると、ホストは少し驚いた顔で 「こんな、美人なのにマジもったいねー!ごめんねー声かけて、歌舞伎町楽しんできてよ!」 言われなくたって楽しむっつの。 いや、楽しむっていうより、軽い傷心旅行。 いつも通り、馴染んだバーに向かっている最中だった。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加