第1章

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ゼロは最後の最後、限界までは、頑張れと言った。それは、ゼロの優しさだったと後になって気づいた。 ゼロが居なくなって、また僕はひとりになった。 だけど、寂しくはない。Z級の友達が僕にはいる。 僕がここに来て2ヶ月とちょっと。正確には74日。 遥か彼方に見える光を見上げた。 『誰かじゃなくて…誰に助けを求める?』 「ゼロ。君に助けを求めていい?」 誰か助けて!なんて言わないよ。僕は誰かじゃなくてゼロを呼ぶ。 「ゼローーー!助けてーーー!ゼローーー!」 バサッ…バサッ…バサッ。 翼の羽ばたく音が聞こえる…ゼロだ。 「ツバサ…。」 「ゼロ!」 「ツバサ、呼ぶの早いよ…。」 ゼロは眉をさげて、早いよと言った…。どうして…? 「ゼロ?」 「俺は、いつでもツバサを助ける。だけど、俺と共に来るということは…この世を捨てることになる。それでもいいか?ツバサ。」 「うん。いいよ。」
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