第1章

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ここは何処だ? コンクリートの高い壁。 見上げると遥か彼方に見える光。 あれは外? 自分が閉じ込められたと思い出したのは暫くしてからだった。 「誰か…助けて…!」 くっくっくっ……。ひゃ~はっはっは。 「だ、誰?」 「笑えるねぇ。誰か助けてって…アバウトだねぇ。 ねぇ、それってさぁ、助けてくれるなら誰でもいいって事? こう、何て言うの?ピンポイントで、〇〇さん助けてとか、そういうのじゃないんだ。ん?」 「……。」 誰だろう…なんだか嫌な奴…。 「なんか言えよ。お前、助けに来てくれる奴はいねぇの?」 「……。」 僕を助けに来てくれる人…? ……いない…考えたけど…いないことに気づいてしまった…。 …嫌な奴……。 この嫌な奴の所為で…僕は孤独に気づいてしまった…。 うっ…うっ……。 我慢出来ずに泣いてしまった…。コンクリートの壁に嗚咽がぶつかって自分の耳に戻ってきた…。 どこまでも…孤独だ…。
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