第1章

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それから毎日…ゼロは僕に話しかけてくる。 「なあ。ツバサ。」 「何ですか、ゼロ。」 「ぷはっ。ツバサは無表情なのな。もっと笑えよ。」 「この状況で笑えと?何を言っているんだ? ゼロ、君、おかしいでしょ。」 「最初に見た時の方が感情があったぞ。」 相変わらず姿を見せないゼロは言いたい放題だ。 「ツバサ、お前、ここから出たいか?」 「出たいよ…。」 「そりゃそうだよな。だけど、お前は、“特種”なんだろ?」 「…うん。」 “特種”それが意味するもの…僕は洗脳されない。何をしても洗脳されない…だから、ここにいる。 「俺はさ、…。」 「ゼロ?」 「ツバサ、お前、誰に助けを求める?」 「えっ?」 「誰かじゃなくて、誰に助けを求める?」 「ゼロ…意地悪だね。僕、助けを頼めるような人はいない…。」 「マジで…?」 「何だよ…悪いか…。」 「いや…悪い…わざとじゃないぞ。知らなかったんだ…ごめん。」 ゼロが謝った…。くすっ。何だか僕は、それが可笑しかった。
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