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「ツバサ。俺な…実をいうと俺は翼を持っているんだ。」
「えっ?ゼロ、君には翼があるの?」
「ああ。俺…もうすぐ審判が下る。」
「審判?何それ…。」
「……。」
「あ…その…話したくなかったら、いい…無理に話さなくて…。」
「いや、話したくないわけじゃないよ。こんな事、話すのは初めてだから…。
俺の背中には今、白い翼があるんだ。
このまま白い翼か、黒い翼か、それとも翼を失うか…審判が下るのをここで待っているんだ。」
「翼を失ったらどうなるの?」
「人間になる。」
「人間に?」
「ああ。」
「えっ!ゼ、ゼロは人間じゃなかったの?」
「えっ…今さら?ぶはっ。やっぱりツバサは面白いな。」
姿を見せないゼロは人間ではないと言った。翼を持っていると言った。
姿を見てない所為か、そんな事は気にならなかった。
普通に話してた。人間でも人間じゃなくても、心は通じるんだ…。
見かけで拒否して友達にならない、話さない…。もし、ゼロが姿を見せていたら僕はゼロと話をしただろうか…。
今までの自分の器の小ささに嫌気が差す。
だけど、今、僕はゼロの友達だ。ゼロは大切な事を教えてくれた。きっと、姿が見えていてもゼロとは友達になっただろうと思った。
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