2人が本棚に入れています
本棚に追加
「ヒャッハァア!中々の上玉の嬢ちゃんまでいるじゃねえか!こいつぁ高値で捌けるぜぇ!」
耳障りな金切り声が、案の定な言葉を発した。
「させない…!」
絶対に、そんなことにはさせない。あいつは、独りになった俺に、真っ先に手を差し伸べてくれたのだ。その恩人を、ここでむざむざ堕とさせる訳には、いかない――!
「くっっ!」
だが、届かない。必死で伸ばした腕も、彼女を守らんとするこの想いも。
奮戦虚しく、銃の引き金は引かれ、その銃口から鉛玉の形をした、死が差し迫る―――
最初のコメントを投稿しよう!