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タツミは、考古学を専攻している学生である。
彼が通学している国営の学び舎は、旧文明においては「シンジュク」と呼ばれていた地に建っている。
考古学研究室のある建屋の地下には、旧文明の貴重な遺物や資料を収蔵しているシェルターのような格納庫がある。
外気が入らないよう空調システムが完備され、室温・湿度も常に一定となるようコントロールされている。昼間でも薄暗い、厳かな雰囲気すら漂う地下室だ。
内部は狭い。
教授は、その狭さを旧文明の基準で表した言語表現のひとつに「ロクジョウヒトマ」というものがあるということを学生たちに説いた。
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