世界の終わり

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 建屋1階にある、格納庫への入り口周辺は、ほとんど人通りが無い。  入り口の扉を開けると地下へと続く長い階段があり、それを降りた先に、格納庫へとつながるゲートが現れる。  このゲートの解錠/施錠には多少の手間と時間がかかるため、格納庫の内外とで簡便にやりとりできるように、格納庫の内外部の壁面には通話用のモニターシステムが設置されている。  また、このモニターシステムには人感センサーが付いており、格納庫内に人間がいるときは、格納庫外部壁面の通知ランプが点滅する。  同様に、外部壁面側のモニターに人間が近づくと、格納庫内の通知ランプも点滅する。  教授によると、例えば格納庫内で急病により動けなくなった場合などでも、この通知ランプの点滅が自分の存在を外部に知らせることになるため、救助の際に役立つとのことだった。  さらに設定次第では、外部に存在を知られることなく格納庫に「籠城」することも出来るそうだ。  あまりよい例えではないが、異民族からの侵略があった場合に……と教授が言いかけたところで、同級生のショウジが、格納庫内でいかがわしいことが出来る!と素っ頓狂な声を上げ、教授からの拳骨をくらった。
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