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「俺も、戸惑ってばっかりだよ、春日」
「先生、大人なのに?」
くくっと、けいちゃんが肩を揺らして笑う。
「大人って…。この間まで学生だぜ、俺。買いかぶり過ぎだよ、春日。見たくなかったこと見ちゃって、もやもや~っとしたり、自分の思い通りに行動出来なくてイライラしたり…毎日、そんなことの繰り返し」
見たくなかったことって…さっきの酒井くんに腕掴まれての挙手とか? って思うのは、あたしの自惚れだろうか。
でも。
あたしの目にはけいちゃんは、先生としてちゃんとやってるように見えたし、あたしのことも公私分けてるように見えたから。
あたしと同じように『戸惑ってる』って言葉に、びっくりして安心する。
「春日」
あたしの名前を読んでから、けいちゃんは自分の前のキーボードを叩く。図書の在庫を調べる検索画面のワードに書かれてたのは、秘密のメッセージ。
――日曜日、うちに来る?
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