第3章 秘密の重み

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「中に、大きなねずみがいる、って通報あってね。パニックになるといけないから、一旦締めきって捕まえてた。すぐにまた、開館の札提げ直したけどね。間が悪かったみたいだね」 「そんなことあったんですね。こわ~い」 「うん、中に入らなくて正解だったと思うよ」 なんとか誤魔化せたかな。胸をなでおろしたのも束の間だった。 「でも、先生、あたしがもう1回図書室行ったら、春日さんが図書室から出てきたのはどうしてですか?」 …こえ~な、この子。ホントはずっと張り付いてたんじゃないか? 何もかも知っていて、少しずつカードを出して追い詰めようとしてる…危惧は胸の内に収めて、顔はなるべく平静を装った。 「春日には会わなかったからなあ。そこまでは」 しらばっくれた俺の返事を沖本が信じたかどうかは知らない。 「そうですか」 沖本はがっかりしたように相槌を打った。彼女を残して、職員室に戻って、大きく溜息をつく。 学校での秘密の恋なんて、つくづくするもんじゃない。
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