第3章 秘密の重み

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委員会の初めての招集が掛けられたのは、4月も終わる頃だった。図書委員は図書室集合。机と椅子を中央に集めて、会議用にセッティングして、委員長やこれからの当番を割り振りを決める。 司書の先生と去年の図書委員の委員長が、中心になって、いろいろ議題を進行させてくれる。けいちゃんは、新米の先生らしく、窓際に立って、メモを取りながら、会議の様子を熱心に見てた。 あたしは、ちらちらそんなけいちゃんに視線を送る。その時に気づいてしまったことがあった。 …沖本さんも同じ委員なんだ。 先日の公園でのニアミスを思い出して暗い気持ちになった。あとで、けいちゃんに聞いたけど、家が割りと近いらしい。あの公園にもコーギーを連れて、よく散歩に行ってるみたい。 また、あたしと鉢合わせたり、けいちゃんの家、見つかったりしなきゃいいけど。 そんなことを思っただけで、溜息が出てくる。それを隣の席の酒井くんに聞かれてしまった。 「もう、終わるよ」 あたしの溜息が、委員会の長さに嫌気がさしたものだと思ったらしい。酒井くんは小声で言って、にかっと笑う。 結局委員会が終わったのは5時過ぎだった。 「遠藤先生」
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