第4章 修学旅行とバースデー

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~★~☆~★~☆~★~ 小指にちっちゃいハートが光ってる。ベッドに寝そべって、手をあちこちかざしてたら、ぷっと七海に笑われた。 「いつまで見てんの?」 「だ~って」 嬉しいんだもん。喜びに浸っていたいんだもん。けいちゃんがくれた初めてのプレゼント。もちろんさっき、鶏ちゃんとの間にあったことは、七海には報告済。今日が七海とふたりきりの部屋で良かった。まさか、けいちゃんがそこまで計算してたとは思わないけど。 七海は「やるなあ、けいちゃん」と、感心してから、あたしと一緒に喜んでくれた。 「ピンキーリングってとこが、またいいよね。薬指のエンゲージは『千帆のハタチの誕生日に…』とか言われなかった?」 「言われない言われない」 七海がからかうのを否定しながら、ちょっとだけそんな舞い上がった想像が脳裏に浮かんだ。 え、けいちゃんと? そんな、やだ、どうしよう。あ、あたし、一生好き、とか言っちゃった。重たい女、とか思われたかな。 その時、コンコン、と部屋のドアがノックされた。 頬を軽く叩いて、顔を引き締めてから、あたしは扉を開ける。沖本さんが立っていた。
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