第4章 修学旅行とバースデー

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「遠藤先生、そんなの覚えてたら、日本史追試にならないですよ」 と、けいちゃんの後ろからコバンザメみたいにひっついてきて、失礼極まりないこと言ったのは、沖本さんだった。何で、隣のクラスの貴女が、うちのクラスの列に混じってるの? でも、あたしと酒井くんが追試になったせいで、沖本さんに図書委員の当番、変わってもらったから強く出れない。 恋敵に借りを作るなんてめっちゃシャクだったけど、他にいなかったのだ。ちなみにけいちゃん情報に拠ると、彼女は日本史のテスト、学年で3番だったらしい。ま、あれだけ、けいちゃんに付きまとって、質問攻めにしてれば、成績だっていい…? いや、マンツーマンでもダメな人はダメだよね。追試も合格点の、すれすれだったもんね、あたし。でも、あの時は結局けいちゃんが…。 「…が、春日」 あたしのとっちらかった意識を、こっちに引き戻すように、けいちゃんに強く呼ばれた。 「は、はいぃぃっ」 「ぼーっとしてるとはぐれるぞ」 見ると、うちのクラスは遥か先に進んで行ってる。もちろん沖本さんもいなくなって、あたしの周りには酒井くんと七海とけいちゃんだけが、立ってた。 みんな、早い。いつの間に? 慌ててダッシュして前列に追いつく。 こうして、あたしにもけいちゃんにも、波乱尽くしの修学旅行の幕は開けた。
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